リーダーシップをみがいて
仕事も人生も成功を勝ち獲ろう!

西川りゅうじん
マーケティングコンサルタント

就職活動は学生時代の総決算であり、今まで学び経験してきたことが試される一大イベントです。そこでは、付け焼き刃の知識やテクニックは通用しません。とくにリーダーシップの有無が、あなたの就職活動、そしてこれから人生の行方を大きく左右します。しかしリーダーシップは、地道に知性を磨き、クラブやアルバイト体験で得た実地体験がものをいいます。学生起業家の先駆者であるマーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏に、いかにしてリーダーシップを磨けばよいのか伺いました。


●いい本をたくさん読み、いろいろな人に会え!

西川さんは大学時代から「学生経団連」を立ち上げるなど、学生起業家の先駆者ともいわれていますが、どのような学生時代を過ごされたのですか?

西川  大学時代は、「一橋マーキュリー」という、ミニコミ誌を企業広告を集めて発行したり、椎名誠や筑紫哲也など様々な人の講演会や、日本的経営や都市問題などのシンポジウムを主催するクラブの部長を務めました。また、学園祭の実行委員としてユーミンやスメタナ弦楽四重奏団のコンサートなどを開催したりしました。
 また、「学生経団連」との異名を取った、全国の大学のメディア系クラブの代表者の連合体の「キャンパス・リーダース・ソサエティ」の初代代表幹事として、今のUSENの宇野康秀社長らと「キャンパス・バンケット」という大交流会をホテルで行ったりしていました。また、ソニーのウォークマンやホンダ、サントリーなどキャンペーンを請負い、気が付くと大学4年の時には年商1億円になっていました。それで作った資金を元手に、卒業後、企画事務所を設立しました。そのときの経験は25年たった今でも生きています。

かなりのリーダーシップを発揮されていたようですが、それはどのように身につけられたのですか?

西川  リーダーシップを発揮するには、人を動かす原理、つまり常に物事の本質を見極め、あるべき道を指し示す力が必要です。学生時代は人間道場です。後になって誰もが気付きますが、学生はインプットするだけでも許される、とても恵まれた時期です。様々な機会を生かしてリーダーシップのトレーニングをすべきです。
 根本原理とは、例えば、野球で言えば、バットにボールが45度で当たると最も飛ぶことを知ることです。そういった理論も大切です。しかし、理屈ではわかっていても、なかなか球はバットに当たりません。理論を実行するには、絶え間ない練習とそれを支える基礎体力、そして、試合本番の場数を踏む必要があります。仕事でも何でも、結果を出すためには、理論と実践の両方が求められます。
 パイロットや医者が素人だと人々の命が危険にさらされるように、社会人になれば、当然、常に一定水準以上のアウトプットが求められます。結果が出せなかったり、クレームが多かったりすると、戦力外通告され、後輩にも追い抜かれてしまいます。
 また、何年かたつと部下を持つことになるでしょうが、自分がミスを起こさなくとも部下のミスは上司の責任です。したがって、自分はもちろん、部下のミスをも事前に察知し予防し、問題が起こった時にもケアできなければなりません。さらに、自分が会社に貢献できるプレイヤーであるのみならず、部下の能力を高め、引き出し、発揮させる能力(リーダーシップ)も必要です。
 もちろん、社会人になっても様々なことを学び続けねばなりませんが、残業が終わると深夜になることもあります。通勤の合間などに能力を高める時間を確保することはとても難しいものです。学生時代は、誰に気兼ねすることなく、すぐに結果を求められることもなく学ぶことができる特別な時間です。

具体的には、学生時代どんなことをされていたのですか?

西川  社会人の先輩から、「いい本をたくさん読め」「いろいろな人に会え」「だまされるかもしれないが、殺されない程度にいろいろ経験したほうがいい」と教えられました。そこで、色々な分野の本をたくさん読み、クラブの活動やアルバイト先でたくさんの友達をつくりました。机上で考えてばかりいても、実際のビジネスの経験もない学生に答えを出せるはずなどないからです。
 たとえば、ある本で「会った人、お世話になった人には礼状を書くといい」ということを読み、20代は飛行機や電車で隣り合った人にも必ず話しかけるようにして、礼状を書き続けました。そのことがきっかけでその後の仕事に結びついたりもしましたし、コミュニケーション能力やリーダーシップも磨くことができたと思います。

●学生時代にどれだけ社会体験をするか

西川さんは学ぶだけでなく、社会経験も半端ではありませんね。それもリーダーシップを身につけることに役立っているわけですね?

西川  世の中に知能指数の高い人は沢山います。しかし、社会経験がないまま卒業すると、人の気持ちがわかりませんし、簡単にだまされてしまいます。エリートには知識はあっても、世の中のことを知らない人も多いのです。世の中にはたくさんの会社があり社長がいますが、そのうち大学卒の社長は3割程度しかいません。高卒の社長の方が多いのです。
 消費者も、大学卒より高卒の人の方が多いのです。ただ大学にいっているだけでは、そんなこともわかりません。いろんなアルバイトすることによって、世の中には様々な考え方や生き方の人がいることがわかります。歴史の年号や微分積分ができても、リーダーシップやコミュニケーション力にはつながりません。そのために必要な信頼を築き、説得する力は、自分と異なる色々な人とのコミュニケーションによって培われます。
 リーダーシップは、知識ではなく、実際の現場を体験しないと、身に付きません。私は、「土壇場」「踊り場」「正念場」の3つの場と言っているのですが、クラブ活動やアルバイトの中で、数々のそんな場を体験できたことが大きかったと思います。また、それらの体験は現在にも生きています。

最後に、大学生活や就職先選びのアドバイスをお願いします。

西川  大学時代の4年間をどう過ごすかによって、明らかにその後の人生は変わります。40や50才になって酒やタバコを始める人はほとんどいません。また、全く新しいスポーツ、たとえばスカイダイビングやスノーボード、サーフィンを50歳から始める人も少ないですね。やろうとすれば家族から「そんな危ないことは止めてくれ」といわれるでしょう。ですから、今のうちに、良い書物をしっかり読んで、たくさんの人に会って、様々な価値観に触れ、何にでもチャレンジすべきです。
 社会人になったなら、いかにオンタイムを充実させられるかが重要です。仕事をしている時間は寝ている時間よりも長いのです。アフター5が充実していれば、それで満足ということにはなりません。ひたすらオンタイムを耐え忍ぶだけで、オフタイムを充実させても楽しいはずがありませんし、現実逃避は長続きしません。いかに、仕事をしている時間を充実させられるかで少なくともその人の出世や給料などキャリアが決定します。そのためにも、今から自分を磨いておくことが大切なのです。

《プロフィール》
1960年兵庫県生まれ。一橋大学卒業。在学中に企画事務所を起業、卒業前には売上が1億円を超える。昨今では、本格焼酎マーケティング研究会座長として焼酎ブームの演出したり、「六本木ヒルズ」「表参道ヒルズ」のコンセプト立案などを手掛ける。アッシー、ジモティ、コヤジなど流行語の造語でも知られる。